2025/08/28

2025/9/20 - 9/28 田村 玲子「空間の夢」




会期

2025年9月20日(土)~9月28日(日) 会期中無休
13:00~19:00
オープニング 20日(土)18時〜


団体名・作家名称

田村 玲子


展示名称

空間の夢 


展示概略

asterisk books は、田村玲子の二冊目の写真集『空間の夢』を発行します。 また刊行に合わせた写真展も開催いたします。


展示詳細

田村は、写真制作を開始して以来二十年以上に渡り、ある土地を被写体としています。そこにはかつて軍の基地が広がっていましたが、現在は国営公園などとして整備されています。幼い頃から変遷を眺め続けてきた広大な空間の、別世界のような佇まいに今も惹かれ続けていると言います。 

秋冬の曇り日だけに見えるものがある。もろく壊れやすく、陽が差せばたちまち消え去る−それぞれの瞬間に見えたもの、惹かれたものが何であるのかを私は知らない。見定められないがゆえに立ち去り難くて、無駄と思えるほど幾度もシャッターを切った−それは物本来の姿なのか、幻影なのか。どちらと言っても同じかもしれない。-ステイトメントより 

植物が色めき立つ時節を避け、強い陰影が生み出すエモーショナルな表情を排し、丹念に掬い取られた静かな光景は、どこか夢のような不思議な浮遊感を湛えています。加えて、公園内に遺構として残された巨大な煙突がさまざまな距離感で繰り返し現れることも相まって、読者はまるで迷路に入り込んでしまったかのような感覚に襲われます。 

田村の静謐な作品に意識を澄ますことで、あたりまえに見えている風景から別の世界への入り 口が見つかるような気がしている。それは木々の葉の茂りであり、ガラスの滑らかな表面であ り、静止した噴水の飛沫であったりして、〈今〉の肌触りとでも名状したくなるような感触を伴 う。そしてきっとその先には、あなたにしか聴こえない囁きに満ちた空間があるはずだ。-解説より 

「かつてこのようであった」現実が「このようである」ものとして手元にある。 撮影時の現実は「私」という個にのみ開かれていたはずなのに、完全ではないに してもそれを他者と共有できてしまう。写真という装置にとっては当たり前のこ とですが、田村はその事実に毎回驚くとのことです。 

ここには個の視野と、その外側という矛盾するものが一体になって現れている。そう思う と、閉じた場所から開けたところへと急に出た気がして眼の前が明るくなった。-ステイトメントより 

ひとりの作家がひとつの場所で、長い時間をかけ織り上げた、極めて私的な空 間が写真を通じて他者と共振する。それは新たな公共性のかたちとも言えるで しょう。ぜひ本書を何度も手に取り、この「空間の夢」をご体感ください。  

 



会場

Gallery NIW
〒112-0014 東京都文京区関口1-44-8
東京メトロ有楽町線 江戸川橋駅 1b出口より徒歩3分
(中央・総武線からの乗り換えは市ヶ谷駅を推奨)
東京メトロ東西線 神楽坂駅 2出口(矢来口)より徒歩11分
都電荒川線 早稲田駅より徒歩12分



入場料

入場無料


作家プロフィール

【田村玲子略歴】
個展
2018年 「The Zone」表参道画廊 東京
2013年 「道のり」MUSÉE F 東京
2012年 「生と空間」表参道画廊 東京
2010年 「場所にて」UP FIELD GALLERY 東京
2009年 「未分」ギャラリー山口 東京
2008年 「空白の時間」ギャラリー山口 東京
2004年 「場所の風景」新宿ニコンサロン 東京
グループ展
2017年 「境界を見つめて」表参道画廊 東京
2015年 「Mystery Train」表参道画廊 東京
2003年 第9回鹿沼市立川上澄生美術館木版画大賞展
     鹿沼市立川上澄生美術館 栃木 (酒井忠康賞受賞) 
1999年 第67回国際版画協会展 東京都美術館 東京
出版物
2018年 『The Zone』赤々舎 



イベント公式/関連サイト

https://asteriskbooks.jp/ja/dreamsofspaceasterisk/