3年ほど前から、disaster（災害・大惨事・悲劇など）を主題に制作したり、中断したりしていました。
当然3月11日の大震災を意識していたわけはなく、ただ、春という季節には、希望と残酷さがセットになっている、という印象を下敷きに、同時に絵画についての思考を温めていたのです。
それはあまりうまくいきませんでした。私にとって、絵画はうまくいかないものの象徴でもあります。
そして、絵画は人類の歴史のはじめから、「願い」というものに深く係ってきました。
自分自身の作品にもそのことが継続して現れていると思います。
アートは何よりも個人の感情の表現であると捉えていますが、震災以後の社会の様相・動きから受けざるを得ない、現在進行形の現実的・心理的な影響がそれを作っています。ますます希望を感じることのほうが困難な状況ですが、その中でも希望を探す行為をやめることはできません。
会期
2011年11月19日（土）〜 23日（水）
12:00〜20:00（初日は15:00から、最終日は17:00まで）
レセプションパーティ
2011年11月23日（水）14:00〜
ギャラリートーク
2011年11月23日（水）15:00〜
「Spring and Spring / " Holiday, Punk & D.I.Y."」
このたびの展示によせ、"Holiday, Punk & D.I.Y."をサブタイトルに、ギャラリートークを行います。
トークはライター・キュレイターとして活躍されている岩坂未佳さんとの対談形式で進行いたします。
最終日23日、レセプションパーティ中の15時から開始を予定しております。
トークでは主に作家から、出品作品に関してそれぞれ簡単に紹介・コメントしていきます。
勤労感謝の日ー、のどかな国民の休日に、特に90年代イギリスの現代アート作品の、制作姿勢の基本の一つと言える、「Punk & D.I.Y.」について等、気楽に語り合います。
当時の一時代を画したアーティスト達、ジリアン・ウェアリング、ギャリー・ヒューム、ダグラス・ゴードン、BANK等による多彩な作品について取り上げ、また展示作品についても関連付けてお話していきます。
飲み物など楽しみつつ、ひとときおつきあいくださいませ。
プロフィール
山下 数鳥（ヤマシタ カズウ）
1973年生まれ。現在東京にて制作活動中。
活動経歴
2000年 ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン スレード・スクール彫刻科 卒業
2000年 スレード・スクール 卒業制作展（ロンドンにて）
2000年 グループ展「One foot Two」（Mafuji Gallery London にて）
2010年 グループ展「Art and Photo Book Exhibition」（新宿眼科画廊 にて）
